Vol.113
印
刷
キーワード: 穴あけ加工 多穴加工
- パンフレットやルーズリーフなど、ファイリングには欠かせない穴あけ加工。
- カタログやパンフレット、ルーズリーフなど、ファイリング用の穴があいている印刷物を見たことがあると思います。
こうした印刷物は、資料としてまとめておく際に大変便利です。
今回はいろいろな穴あけ加工についてご紹介します。
〈カタログ・パンフ等の穴あけ加工〉
製本完了後に綴じるファイルの仕様に合わせて穴あけ加工を行います。
直径6mmの穴を印刷物の天地対称の位置に80mmの間隔(ピッチ)であける加工が一般的です。
この穴あけ加工を2穴あけと呼び、国際規格ISO838に準拠しています。
また同じ80mmのピッチで天側と地側にさらに一穴ずつあけたものが4穴あけです。
穴の数が多い分ファイリングも安定し、破れ等による脱落に強いという利点があります。
インフォグラフィックスとは、情報やデータなどの複雑な内容をわかりやすく伝えるための表現手法です。
言葉だけではイメージしづらい事柄でも、絵や図を利用し、誰でも容易に理解できるようにすることが目的です。
その歴史は古く、1780年代にウィリアム・プレイフェアが近代グラフを発明。
1860年代にはシャルル・ジョゼフ・ミナールが、ナポレオンのロシア遠征時の兵士数の減少傾向を視覚化した
独創的なインフォグラフィックスを発表します。
1920年代にはオットー・ノイラートが、ピクトグラムを活用した統計データ視覚化手法を考案。
現在のインターフェースにおけるアイコンのデザインにも影響を与えています。
一方北米向けの印刷物の場合、アメリカンレターサイズ(280×215mmまたは279×216mm:
インチ基準のためミリ表示では誤差が生じます)に108mmピッチの3穴あけが基本です。
そのため、広く海外に配布する印刷物では、2穴あけと3穴あけを組み合せた5穴あけ。
また4穴あけと3穴あけを組み合せた7穴あけといった多穴加工も行われます。
〈穴の大きさ〉
もっともよく利用される穴サイズは直径6mmですが、その他にも3mm、4mm、5mm、7mm、8mm等があります。
3~5mmの穴は仕上がりサイズの小さい印刷物に最適。
また5穴あけや7穴あけの多穴加工の場合には、ファイルとの誤差が生じないように7~8mmの大きめの穴を使います。
〈特殊な穴あけ〉
ルーズリーフに使われる用紙は、細かいピッチで22~30の穴が開いています。
この穴はドンコ穴と呼ばれ、B5サイズで26穴、A4サイズで30穴が一般的です。
またさまざまなバインダーに対応できるよう、大きさの異なる穴が併用されている用紙も少なくありません。
穴の形状は四角と丸があり、ルーズリーフの爪金具の形状に合わせて選べます。
その他、しおりの天部分にリボンを通すための小さな穴をあけるケースがあります。
さらに最近増えてきたものとしては、中綴じタイプのカレンダーです。
壁に貼付けられるようにピンをさす穴がひとつあけてあり、
この加工は穴あけユニットを組み込んだ中綴じ機で製本時にあけることができます。
PDF版はこちら