Vol.44


キーワード: 無体財産

身の回りの©をsee!
そのマークは文化発展を願った国際間での統一記号なのです。
身の回りの印刷物をよ~く見てください。©や®といったマークはありませんか。
これは著作権や登録商標を表すマーク。今回はこれらの記号についてご紹介します。

たとえば、あなたが一枚の絵を購入した場合、絵画の所有権はあなたにありますが、
それを印刷したり、Webなどに掲載する権利はありません。
所有する権利と利用する権利は違うものなのです。

このように物として絵画を所有する場合は「有体財産権」、印刷物に利用するなど物として所有できない権利を
「無体財産権(知的財産権)」と呼びます。
この無体財産の中でも、「©」で表される著作権は特に認知度が高く、そして少し複雑な権利なのです。

身の回りの©をsee!
身の回りの©をsee!

たとえば、あなたが一枚の絵を購入した場合、絵画の所有権はあなたにありますが、
それを印刷したり、Webなどに掲載する権利はありません。
所有する権利と利用する権利は違うものなのです。

このように物として絵画を所有する場合は「有体財産権」、印刷物に利用するなど物として所有できない権利を
「無体財産権(知的財産権)」と呼びます。
この無体財産の中でも、「©」で表される著作権は特に認知度が高く、そして少し複雑な権利なのです。

印刷物などを注意深く見てみると、さまざまな場面で「©」が登場します。

これは著作権(COPYRIGHT)の頭文字Cを表現したもので、その所在を示す国際的記号。


日本はベルヌ条約に加盟しているため、特別な手続きをしなくても著作物を創作した時に権利が発生します。

つまり絵を描きあげた瞬間、カメラのシャッターを押した時点で、すでに著作権が成立しているわけです。

これを無方式主義と言いますが、登録や表示を必要とする国(方式主義)もあり、
こうした発生方式の違いが国際間の著作権保護を難しくしていました。


そこで1952年、万国著作権条約において、©と著作者や発表年などを適当な場所に表記することで、
方式主義の国においても保護が受けられるようになったのです。

当初アメリカは方式主義をとっていましたが、後に無方式主義へ変更。
現在、方式主義の国はほとんどなく、©の必要性は薄れてきました。


今では著作権をアピールすることが主な役割になっているようです。


著作物は利用する際にも注意が必要。
自ら撮った写真の著作権は自分にありますが、写した対象物が創作的なものだった場合、
その対象物の著作権者に許可を取らなければ公表できないというケースもあります。


また、著作権フリーの素材でも、著作者が作品をそのままのカタチで見てもらいたい場合は、
同一性保持権から勝手に加工することができないケースもあります。

さらに翻訳された海外の小説を使用したい場合は、著作者と翻訳者の許可が必要です。


このように、いろいろな権利に守られている著作権は、権利の束とも呼ばれています。


その他に「®」や「™」といったマークもあります。


「®」は「REGISTER」の頭文字をとったもので、登録商標(REGISTER TRADEMARK)であることを表しています。

本来、表示の際には「登録商標第*****号」と記すのが望ましいとされていますが、
デザイン的な面から「®」が使用されるケースが多いようです。


一方、「™」はTRADEMARKの略称です。登録商標申請中または、申請しない商標にも使用されています。

自社の商標を他社のものと誤解されないよう記載されます。


普段何気なく接するマークにも、さまざまな意味があります。
自社の権利を積極的に守るためにも、こうしたマークを有効に活用してはどうでしょうか。

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