Vol.04


キーワード: タコ印刷 特殊印刷

広がる特殊印刷の世界。
右を向いても、左を向いても、街を歩いても、そこには必ずといっていいほど印刷物があります。
しかもその印刷物は、紙ばかりではなく、また平面とも限りません。
今回は、こうした少し特殊な印刷の世界に目をこらしてみましょう。

水と空気以外なら何にでもできる―。


そう言われるくらい、いま印刷の利用範囲は広がっています。


たとえば、ゴルフボールについているプロのネームやメーカーのロゴマーク。
こういったものにも印刷の技術が使われているのです。


ゴルフボールは球体であるうえに、空気抵抗を減らし飛距離を延ばすためのディンプルと呼ばれるくぼみがいくつもあります。

曲面とくぼみ。この難題をどのような印刷技術で克服しているのでしょうか。

その答えは、「タコ印刷」と呼ばれる奇妙な名前の印刷です。


パッド印刷やタコポン印刷とも呼ばれるこの印刷は、印刷版から対象物にダイレクトにインキを押し付けるのではなく、
シリコンでできたやわらかいスポンジパッドにいったんインキを移し、それを対象物に転写するという方法で行われます。

この柔軟性のあるパッドが、凹凸のある印刷面にもフィットするため、さまざまな形状のものへの印刷を
可能にしているというわけです。


ちなみに、初期の印刷機のパッドが海に棲むあのタコの形に似ていたことから、この奇妙な名前で呼ばれるようになったとか。
タコ印刷は、パソコン用のキーボードや時計の文字盤などにも利用されています。


このように、紙以外の素材に印刷することを「特殊印刷」といいます。

プラスチック、ガラス、金属、陶器、布などへの印刷がその一例で、電子回路のプリントなどにも利用されています。


また現在は、こうした印刷対象の特殊性だけでなく、より広い意味で、
従来とは異なる印刷機や方法で刷ることなども特殊印刷と呼ばれるようになっています。


たとえば、

熱に反応して色が変わる感熱印刷。
加熱すると文字や絵が浮かび上がるあぶり出し印刷。
隆起のある立体感が特徴的なバーコ印刷・・・。


特殊印刷の世界は、ここですべてを紹介しきれないほど広がっており、そして私たちの生活に溶け込んでいるのです。


コスメなどの広告でたまに見かける、芳香効果のある香料印刷がそうであるように、
今日の印刷技術は既製の枠にとらわれないアイデアを具現化することさえできます。


最近では、せんべいやクッキー、マシュマロなど、食品にメッセージやイラストを印字するサービスも増えてきました。


おもしろいけど、できそうもない。
もし、そんなアイデアをお持ちであれば、ぜひ一度、私たちセザックスに相談してみてください。
それは、思いがけず簡単に実現できるアイデアかもしれませんから。

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