Vol.51
印
刷
キーワード: 凸版 凹版 平版 孔版
- インキも印刷方式も、「4種類」が基本です。
- CMYKの4種類のインキによって、ほとんどの色が再現されていることは、すでにご存知だと思います。
印刷物も今回ご紹介する4つの方式で、そのほとんどが刷られているのです。
凸版印刷
(主な印刷物:名刺、案内状、賞状、段ボール etc.)
凸版印刷
(主な印刷物:名刺、案内状、賞状、段ボール etc.)
凸版印刷は最も長い歴史を持つ印刷方式です。
左右逆に作られた凸部分にインキをつけて、紙に転写します。
絵柄の境界にはマージナルゾーンと呼ばれるインキの濃い部分ができ、鮮明で力強い印刷が特長。
凸版印刷の代表といえば、活字を使った活版印刷ですが、DTPの普及とともに減少の一途をたどっています。
また、ゴム、樹脂など弾性の版を用いたフレキソ印刷も凸版印刷方式です。
凹版印刷 (主な印刷物:紙幣、株券、写真集、美術書 etc.)
印刷部を凹状にした版にインキをつけ、ドクターと呼ばれる装置で余分なインキを掻き落とします。
そして凹部分に残ったインキで紙に刷る。それが凹版印刷の原理です。
写真の再現に最適なグラビア印刷は、まさに凹版の技術を活かした印刷方式です。
網点を使わず、凹部分の深さの違いによるインキ量の増減で色の濃淡を表現します。
版の耐久性や速乾性に優れ、大量印刷に向いています。
平版印刷 (主な印刷物:ポスター、冊子、包装紙、チラシ etc.)
印刷部分(画線部)を油性に、それ以外を水性にした平らな版を作成。
そこに水を与えると油性である画線部は水をはじき、次いでインキをのせると、インキは画線部にのみ付着します。
この水と油の反発作用が平版印刷の原理です。
主流のオフセット印刷は、刷る際に一旦ゴム製のブランケット胴に絵柄を移し取り(off)、それから紙に転写(set)します。
オフセット印刷は、現在最も一般的な印刷方法です。
孔版印刷 (主な印刷物:衣服、POP、精密機械、複製絵画 etc.)
版にインキを通す部分(小孔)と通さない部分を作り、小孔からインキを押し出して絵柄を印刷する方式です。
柔らかい布から固い金属、そして電子部品まで、被印刷物を選ばず幅広い素材や形状に対応できます。
また、にじみ出るインキ量を多くすれば、印刷物に立体感を出すことも可能です。代表格は、スクリーン印刷や謄写印刷。
家庭用年賀状印刷機も、この原理を利用しています。
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