Vol.149


キーワード: 文字サイズ Q ポイント インチ

Q と pt 文字サイズの単位
日本独自の「Q」と海外から来た「pt」、印刷現場ではどちらも使われています。
「キュー数上げて」「ハを詰めて」と言われたら、多くの方が首をかしげるかもしれません。
「Q(級)」や「H(歯)」は、写植時代から使われるようになった日本独自の文字に関する単位。
今回は、このQとH、そしてpt(ポイント)についてご紹介します。

冒頭から恐縮なのですが、多くのグラフィックデザイナーが文字サイズの単位として、pt(ポイント)を使っています。
Qを使うデザイナーは少なくなっていますが、エディトリアルの分野では、まだまだ現役で活躍。
それではQとH、ポイントについて説明していきます。

Q と pt 文字サイズの単位
Q と pt 文字サイズの単位

冒頭から恐縮なのですが、多くのグラフィックデザイナーが文字サイズの単位として、pt(ポイント)を使っています。
Qを使うデザイナーは少なくなっていますが、エディトリアルの分野では、まだまだ現役で活躍。
それではQとH、ポイントについて説明していきます。

Q(級)

Qは「キュー」と読みます。日本独自の文字サイズの単位で、1Qは0.25mm。
1mmの1/4のサイズということから、Quarterの頭文字からつけられた名称です。
「級」とも書きますが、これは当て字になります。
Hの読み方は「ハ」。こちらは行や字送りに使われる単位です。
その由来は、手動写植機の時代に文字の送りを歯車で行なっていたことから、「歯」が使用されるようになりました。



H(歯)

そしてQに合わせてアルファベットの「H」が使われるようになったのです。
なお1Hは、Qと同じく0.25mmでメートル法に基づいています。ポイントは、もっとも広く使われている単位です。
ヨーロッパで広く普及したディドー・ポイント、アメリカで制定されたアメリカン・ポイントなどがありますが、いま私たちが
一般的に利用しているポイントはDTPポイントとも呼ばれるもので、サイズは1pt=1/72inch。約0.3528mmです。
DTPのアプリケーションは欧米で誕生したため、その基本単位はポイントになります。
国内でもDTPが普及するに従って、ポイントが定着していきました。



Qとポイント、それぞれの文字サイズの単位には特徴があります。
まずQですが、4Qで1mm、8Qで2mmと正確なミリ換算がしやすいため、組版設計に便利です。
たとえば「行長÷文字数×4」で文字のサイズを、「文字サイズ×文字数÷4」で行長の計算ができます。
こうした理由から、雑誌や書籍などのエディトリアルなどの分野では使いやすい文字単位なのです。


PT(ポイント)

一方、ポイントは1ポイントあたりの差が大きいため、文字のスケールがわかりやすい、
デザインのメリハリがつけやすい点があげられます。
そのため、ポスターや広告、チラシなど、見た目のデザインを重視するものに向いていると言えるでしょう。
また、Webデザインで使用するのはポイントのみ。
Webデザイナーに「Q数を変えたい」と言っても、理解してもらえないかもしれません。

Qはメートル、ポイントはインチに基づく単位なので、正確な換算はできません。
それぞれ近い数値の文字サイズはありますが、微妙に誤差が発生するため、
制作の途中で文字サイズの単位を変更する場合は注意が必要です。

Q と pt 文字サイズの単位

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