Vol.186
制
作
キーワード: テクニカルイラスト マニュアル 視覚的理解
テクニカルイラストとは?
「テクニカルイラスト」という言葉を聞いたことがありますか?
以前、この「印刷いろいろコラム」で「テクニカルライティング」についてご紹介させて頂きました。
実は、イラスト分野にも同様に「テクニカルイラスト」というものがあります。
「テクニカルライティング」よりも耳慣れない言葉かもしれませんが、「テクニカルイラスト」と聞いて、どんなイラストをイメージしますか?
簡単に説明するとテクニカルイラストとは、「その製品・モノに関する知識がなくても、視覚的に理解できるイラスト」です。
イラストの説明は、文章で説明するよりも実際にイラストで見た方がわかりやすいかと思います。
「一般的なイラスト」と「テクニカルイラスト」を比較しながら、具体例を用いて説明します。
一般的なイラストと何が違うの?
例えば「刀」をイラストで表現する場合、一般的なイラストと、テクニカルイラストでは
どんなところに違いが出てくると思いますか?
実際のイラストで比較してみましょう!
例えば「刀」をイラストで表現する場合、一般的なイラストと、テクニカルイラストでは
どんなところに違いが出てくると思いますか?
実際のイラストで比較してみましょう!
【一般的なイラスト】
・イラスト内の情報量が多い(人、背景、エフェクトなど)
・イラストを見る人に想像させる(考えさせる)部分が多い
【テクニカルイラスト】
・必要な情報が強調・ピックアップされている(線の強弱など)
・不要な情報が省かれている(人、背景、エフェクトなど)
・理解できない箇所を作らない(機能についての詳細が記載されている)
このようにテクニカルイラストでは、描かれているモノの形状や構造を誰が見ても理解できるように表現しています。
テクニカルイラストはどこで使われるの?
「テクニカルイラストってどこかで見たことあるな」と思った方もいらっしゃるかもしれません。
実は、テクニカルイラストはマニュアルで多く使われています。
もし近くにマニュアルがあったら、イラストのあるページを探してみてください。
そのイラストは、きっと「テクニカルイラスト」だと思います(たまに例外はありますが…)。
テクニカルイラストがマニュアルで多用されるのはなぜ?
マニュアルでテクニカルイラストを多用しているのは、基本的に「内容を理解しやすくする」ためです。
文章だけのマニュアルと、イラストも含まれるマニュアルを比べてみると、その違いは一目瞭然です。
【文章だけの場合】
【文章+イラストの場合】
いかがでしょうか。
文章だけでは理解しづらい内容も、イラストを交えることでよりわかりやすくなります。
読み手が理解するのに苦労することがないよう、視覚的に理解へ導く役目を担うのがテクニカルイラストなのです。
家具や玩具で一度は見たことがあるかもしれませんが、文字の説明が一切書かれていない、
イラストだけのマニュアルも世の中には存在します。
イラストだけで言葉の違う世界の人たちが理解して組立てられる…
ある意味究極のマニュアルなのかもしれません。
最後に
テクニカルイラストについて、興味を持って頂けたでしょうか?
中には細部にまでこだわって描かれているものもあるので、
改めて身近にあるマニュアルを読み直してみるのも面白いと思います!